「ねじれ国会」って、ニュースでよく聞くのに、いざ説明しようとすると難しい言葉が多くてモヤモヤしませんか?
結論から言うと、ねじれ国会は**“衆議院と参議院で、多数派がズレている状態”**のこと。これが起きると、法律づくりが進みにくくなる一方で、強引な政治にブレーキをかける働きもあります。この記事では、仕組み→影響→メリット・デメリット→いつ起きた?(首相・政党)→2026年2月現在との比較まで、順番にかみ砕いていきます。

1. ねじれ国会とは(超基本)
1-1 二院制と「多数派」の意味
1-1-1 衆議院と参議院の違い(ざっくり)
日本の国会は、2つの議院でできています(=二院制)。
ざっくり言うと、衆議院は「国民の最新の意見が出やすい」(解散がある・任期が短め)側、参議院は「じっくり見直す」(任期が長め・解散がない)側、という役割分担です。
この“性格の違い”があるので、選挙のタイミング次第で片方はA党が勝ち、もう片方はB党が強いというズレが起きやすくなります。
1-1-2 「多数派」ってなに?(クラスの例で)
「多数派」は、簡単に言うと席(議席)がいちばん多いグループのこと。
クラス会議で例えるなら、
- クラス委員(=衆議院)が「遠足は水族館!」と決めた
- でも学級会(=参議院)が「いや山登りがいい」と止めた
みたいに、決める場所が2つあって、意見が割れているのが“ねじれ”です。

1-2 ねじれが起きる条件
1-2-1 ねじれ国会の定義
一般に「ねじれ国会」は、衆議院と参議院で与党・野党の勢力(多数派)が逆転している状態を指します。結果として、衆議院で通った案が参議院で止まりやすくなります。
1-2-2 「ねじれ」と「少数与党」は別モノ
混同しがちですが、
- ねじれ国会:衆院と参院で多数派が違う
- 少数与党:衆院(または参院)で与党が過半数を持たない
で、別の話です。両方が同時に起きると、さらに国会運営は難しくなります。
2. ねじれ国会で何が起きる?(国会への影響)

2-1 法律が通りにくくなる理由
2-1-1 原則は「両方の賛成」が必要
法律は基本的に、衆議院と参議院の両方で可決しないと成立しません。
だから、ねじれ状態だと「片方でOKでも、もう片方でNG」が起きやすく、法案が止まりやすいのです。
2-1-2 参議院は“止める力”が強く見えることがある
ねじれのとき、参議院側は「反対」や「修正」を出しやすくなり、政治が**“進まない”“揉めている”**ように見えやすくなります。
ただし、止めているというより「納得するまで直して」と言っている場面もあり、ここは良い面・悪い面の両方があります。
3. ねじれ国会のメリット(良い面)
3-1 暴走ブレーキになりやすい
3-1-1 チェック&バランスが働く
一つの勢力が全部を握ると、スピードは出ますが、説明不足のまま突っ走る危険もあります。
ねじれだと、相手側の賛成を取るために、根拠・データ・理由の説明が求められやすくなります。「本当にそれ必要?」と立ち止まる機会が増える、という点ではプラスです。
3-1-2 修正・妥協で“よりマシな案”に近づくことがある
最初の案が100点じゃなくても、議論で直して80点→85点に上げることはできます。
ねじれは「妥協=悪」ではなく、落としどころを探す訓練にもなり得ます。
3-2 民意が“二段階”で反映される
3-2-1 途中の選挙で国民の不満が表に出る
参議院選挙は、衆議院選挙とタイミングがズレるので、「政権の途中で国民の不満や評価」が出やすいです。
これは、政治にとっては痛いこともありますが、国民から見ると「途中で意思表示できる」面があります。
3-2-2 与党にも野党にも“説明責任”が増える
ねじれ状態では、与党は「なぜ必要か」を、野党は「なぜ反対か/代案は何か」を、よりはっきり言わないといけません。
結果として、議論が深まるときは、政治の質が上がります。

4. ねじれ国会のデメリット(困る面)
4-1 決められない政治・政策停滞が起きやすい
4-1-1 法案が廃案・成立遅れになりやすい
ねじれでは、法案が参議院で止まりやすく、成立まで時間がかかったり、成立しなかったりします。
その結果、必要な制度改正が遅れ、国民生活に影響が出ることもあります。
4-1-2 “裏交渉”が増えて分かりにくくなる
妥協点を探すのは大事ですが、交渉が増えるほど、話し合いが**舞台裏(国対交渉など)**に寄りやすく、「結局なにがどう決まったの?」となることがあります。
4-2 政局(選挙や駆け引き)が優先されやすい
4-2-1 「ねじれ解消」のために解散・選挙が増えがち
ねじれが続くと、与党は「衆議院を解散して選挙で勝って流れを変える」か、「参議院選挙で勝って取り返す」かを狙います。
その結果、政策よりも“勝ち負け”の話が目立つ時期があります。
4-2-2 政権運営が不安定になりやすい
ねじれで国会が詰まると、支持率が下がったり、トップ交代が起きたりして、さらに不安定…という悪循環に入ることもあります。

5. いつねじれ国会になった?(総理大臣・政党つき年表)
5-1 代表例①:2007年参院選後のねじれ(よく教科書やニュースで出る)
2007年の参議院選挙の結果を受けて、参議院で野党だった民主党が強い立場になり、“衆参ねじれ”が大きく意識されるようになりました。
当時の衆議院側は自由民主党+公明党が多数派で、内閣は安倍晋三→福田康夫→麻生太郎と続きます(ねじれ下での政権運営)。
ポイントはここ:
- 衆議院で「2/3」級の議席があると、再議決で押し切れる可能性が出る
- だから、ねじれでも「全部止まる」とは限らない(ただし政治的な対立は激しくなりやすい)
5-2 代表例②:2010年参院選後のねじれ(民主党政権の苦戦)
2010年の参議院選挙では、当時の与党(民主党中心)が参議院で過半数を割り込み、再び“ねじれ”状態になったと報じられました。首相は菅直人です。
この時期は、衆議院で2/3がないため、法律を通すには野党との協力がより必要になり、「交渉しないと前に進みにくい」タイプのねじれになりやすい、と指摘されています。
その後、首相は野田佳彦へ引き継がれ、ねじれ下での国会運営は難しさが続きました。

6. 現在(2026年2月)との比較:いまは「ねじれ」なの?
6-1 2026年の状況(衆院は2/3級、参院は別多数派)
直近の報道では、高市早苗率いる与党が、衆議院で316/465議席を得て「2/3(310)超」を確保したと伝えられています。
一方で、同じ報道の中で「参議院では多数派を持たない」状況が示されており、“衆院は強いが参院は別多数派”=ねじれに近い状況と整理できます。
6-2 昔のねじれと何が違う?(超重要ポイント)
ここがテストに出やすいです。
- 2007年型:衆院側に2/3があると、法律は再議決で通せる“カード”がある(ただし対立は深まりやすい)
- 2010年型:衆院に2/3がないと、再議決が使いにくく、交渉がほぼ必須になりやすい
- 2026年型(報道ベース):衆院で2/3級なら「通す力」は強い。でも参院を無視し続けると反発や政治コストが増え、結局“合意形成”が重要になる——という構図です。
衆議院の議席が3分の2以上あることの意味については、別の記事で解説しています!
衆議院で「3分の2以上」って、どんな影響があるの?

7. まとめ
ねじれ国会は「政治が止まる悪いもの」と決めつけるより、**“スピードは落ちるけど、チェックが強まる状態”**と捉えると理解しやすいです。
そして、ねじれの影響は「衆議院がどれだけ強いか(2/3があるか)」や、「予算・条約・首相指名は衆議院が優越する」など、憲法上のルールによって変わります。
ニュースを見るときは、ぜひ
- いま衆参どっちが多数派?
- 争点は法律?予算?条約?
- 衆院に2/3はある?
の3点セットで整理してみてください。理解が一気にラクになります。
よくある質問(Q&A)×3
Q1. ねじれ国会になると、予算も止まるの?
A. 止まりにくいです。予算は衆議院が先に扱い、参議院が一定期間で結論を出せない場合などに、衆議院の議決が国会の議決になる仕組みがあります。
Q2. 「衆議院の3分の2」って、何ができるの?
A. 参議院が否決した法律案でも、衆議院で出席議員の3分の2以上で再び可決できれば、法律として成立させられる場合があります(再議決)。
Q3. ねじれ国会は悪いことだけ?
A. いい面もあります。強引な政策にブレーキがかかり、説明や修正、妥協が進むことがあります。ただし、対立が激しいと停滞しやすいのも事実です。




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